
「渡し」は江戸時代から人々の交通の手段として発達しました。各地にあった「渡し」ですが、現在では当時の風景を観ることができるのはここ「矢切の渡し」だけとなっています。
江戸川をはさんだ、松戸の矢切と東京の柴又を結ぶ「矢切の渡し」。木製の小舟をゆっくりゆったり、船頭さんの手漕ぎにより船足を進める、江戸時代から変わらないその風景には大変赴きがあります。その景色は、見る人にある種の哀愁や郷愁を感じさせるようで、歌謡曲、悲恋の小説や映画、また『男はつらいよ』などの撮影の舞台にもなりました。
かつては多摩川や隅田川など東京に多くあった渡し場ですが、昭和になると川には鉄橋が架かり、多くの渡し場がその役目を終え、廃止されていきました。現在では「矢切の渡し」が東京に現存するただ1つの渡し場となっています。
かつての重要な「江戸への渡し舟」としての役割を失いましたが、「矢切の渡し」は「房総の魅力500選」や、「日本の音風景100選」に選ばれるなど、その文化的価値が認められています。
今日でもたくさんの人が矢切や柴又を訪れ渡し舟に乗り、のどかで昔懐かしいその情景に心を癒されています。現代文明に染まらないその素朴さや温かさは、大切な歴史的文化の1つとして、ずっと残していきたい風景です。
この「矢切の渡し」をテーマに、その長く続く歴史、歌謡曲、舞台となった小説、渡し舟の乗り方、またおすすめの休日の過ごし方などを以下にまとめました。